ハルシオンの副作用と依存性

ハルシオンの副作用

ハルシオンはベンゾジアゼピン系に属する睡眠薬で、依存やもうろう状態などを起こす頻度が高く、副作用には注意が必要です。

ここではハルシオンの副作用について解説します。

ハルシオンの効果や特徴については以下の記事をご参照ください。


ハルシオンの副作用

ハルシオンは効果が強めで、即効性があるという特徴があります。

切れも良く即効性のある反面、副作用が起きやすくもあるのです。

ハルシオンは強力に鎮静をかけてしまうため、過鎮静によるふらつきや転倒を起こしやすいという副作用があります。

即効性があり、飲んですぐ効くので、不眠症状の改善には有効です。

しかし急激に意識を落とすので、中途半端に覚醒状態(もうろう状態など)を作ってしまうこともあります。

また、強くて即効性のある睡眠薬は、依存や乱用につながりやすいと言われています。

効きを感じやすいことで、ついついハルシオンに頼りがちになり服用回数が多くなってしまいやすいのが現実です。

実際に、ハルシオンの副作用は他のベンゾジアゼピン系睡眠薬より問題となることが多く、海外ではハルシオンの処方を中止している国もあります。

Ⅰ.耐性・依存性形成

ハルシオンは、耐性や依存性を形成してしまうことがあります。

耐性とは、身体が徐々におくすりに慣れて強くなてしまうことをいいます。
1錠飲めば眠れていたのに、効かなくなっていって2錠、3錠と増やしていかないと眠れなくなり、ハルシオンの量がどんどん増えてしまう状態をいうのです。

一方、依存性とは、ハルシオンに頼り切ってしまい、ハルシオンなしではいられなくなる状態をいいます。
お薬がきれると手のふるえや発汗などの離脱症状が現れることもあります。

ハルシオンは、その「キレの良さ」「効果の強さ」から効く実感が湧きやすく依存形成を起こしやすいため、注意が必要です。
海外ではハルシオンの発売を中止している国もあるのはこのためです。

また、服薬期間が長期化すればするほど、耐性・依存形成のリスクが上がります。「漫然と飲み続けない」ことも大切です。

依存については後述します。

Ⅱ.もうろう状態、一過性前向性健忘

ハルシオンを内服したあと、自分では記憶がないまま、出歩いたり話したりする事があります。

もうろう状態や一過性前向性健忘と呼ばれる副作用です。

半減期(血中濃度が半分に下がるまでの時間、作用時間の目安)の短い睡眠薬に起こりやすい副作用で、ハルシオンは2.9時間と半減期が短いため、もうろう・健忘状態になりやすいお薬なのです。

健忘けんぼう」とは「物忘れ」「ぼけ」のような意味で、「前向性ぜんこうせい」とはある時点(この場合ハルシオン服用時)以後のことを指します。

つまり一過性前向性健忘というのは「ハルシオン服用後、一時的・一過性のぼけが生じて、記憶がない」ということです。

健忘が起こると、自分は全く覚えていないため良いのですが、周囲の人たちは「おかしくなってしまったのでは!?」と驚き不安になってしまいます。

この状態は数十分~数時間で回復しますので、危険な行動をとらないよう監視していれば特段問題はありません。

ハルシオンでこれらの症状が起こってしまったら、量を減らすか、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬(マイスリー、アモバン、ルネスタなど)への変更や短時間型(レンドルミン、リスミーなど)の睡眠薬作用時間のより長い睡眠薬(ハルシオンは超短時間作用型)へ切り替えるのが良いでしょう。

Ⅲ.眠気

ハルシオンも睡眠薬ですから眠気は生じるのですが、持ち越して翌日の日中まで起こる眠気が副作用となります。

夜寝る前に睡眠薬を飲んで眠くなるのは「効果」ですから良いのですが、「起床時間になってもまだぼーっとしていて眠くて起きれない」「日中眠くて仕事に集中できない」「頭がまわらない」となるとこれは問題です。

このように睡眠薬の効果が残ってしまう事を「持ち越し効果(hang over)」と呼びます。

眠気だけでなく、だるさや倦怠感、ふらつき、集中力低下なども生じます。

ただしハルシオンは持ち越し効果による眠気の副作用は少なめです。

作用時間の目安となる半減期は2.9時間と短いためです。

とはいっても翌日の起床時間までが短く、睡眠時間が短めの方では持ち越し効果はさすがに起こってしまいます。

ある程度睡眠時間をとっても翌日頭がぼーっとする感覚が残る場合、持ち越し効果があると考え服薬量を減らして飲んでみる(例えばハルシオン0.25mgを内服しているのであれば0.125mgに減らす)のが良いでしょう。

ハルシオンの依存性について

1.ハルシオンの依存性は強い

ハルシオンを含め、全てのベンゾジアゼピン系には依存性がありますが、その中でハルシオンの依存の強さは「強い」と言えます。

ハルシオンは催眠効果が強く、また即効性もあって「キレが良い」「実感が良い」ことが特徴です。

それだけ精神的にも頼りやすいのです。

依存とは、ハルシオンに頼り切ってしまい、常に手放せなくなってしまうことをいいますが、この依存性が強いのが特徴で、依存性だけが発売中止の理由ではないものの、海外では発売が中止された国さえあるのです。

2.依存にならないために

アルコール依存症の方が、アルコールをやめるのはかなり困難です。

仮にやめられたとしても、また飲んでしまう方は非常に多いのです。

ここからも分かるように、一度依存になってしまうとそこから完全に抜け出すのはかなりの労力を要します。

最も重要なことは依存にならないように意識しておくことですが、不眠症の治療においては眠りの質が悪いことも相まってこれまたなかなか難しいことでもあります。

依存にならないためには、どんなことに気を付ければいいでしょうか。

まずは依存しやすいお薬の特徴を知っておきましょう。

依存を形成しやすい睡眠薬の特徴

  • 効果が強い
  • 半減期が短い
  • 服薬期間が長い
  • 服薬している量が多い

つまりこの特徴を知っておけば逆は依存にならないための対処法となるのです。

Ⅰ.なるべく効果が弱い睡眠薬を選択する

一般的にハルシオンは強い催眠作用を持ちます。

それゆえハルシオンから別のお薬に変えると物足りなさを感じることが多々あります。

ハルシオンを服用している方にとって依存の観点から重要なのはこのお薬が強いお薬であることを知っておくことです。

出来る限り、非ベンゾジアゼピン系のお薬(例えばマイスリー、アモバン、ルネスタなど)から始めるのが安全でしょうし、マイスリーで眠れないかをチャレンジすることも大事でしょう。

エビデンスが不確かなところもありますが、ベンゾジアゼピン系よりも非ベンゾジアゼピン系の方が依存を起こしにくいと考える専門家もいます。

依存形成をなるべく起こさないために、もし非ベンゾジアゼピン系を検討できる不眠なのであれば、非ベンゾジアゼピン系にしてみるのはいいかもしれません。

また、メラトニン受容体作動薬(商品名:ロゼレム)、オレキシン受容体拮抗薬(商品名:ベルソムラ)は依存性が無いと言われていますので、これももしこれらの睡眠薬を検討できる不眠なのであれば、変薬してみるのは有効な手です。

いつのまにかハルシオンがないと眠れないという精神依存に陥って、実は不眠が治ってきているのにいつまでも強いおくすりを漫然と続けている方もいます。
常に「弱い睡眠薬に切り替えられないか」検討してみることは大切なことなのです。

Ⅱ.なるべく半減期が長い睡眠薬を選択する

半減期というのは、そのおくすりの血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、そのおくすりのおおよその作用時間の目安として用いられています。

一般的に半減期が短いおくすりというのは、すぐに効き、すぐに効果がなくなります。

ハルシオンは半減期2.9時間と超短時間の睡眠薬に分類され、すぐ効くので実感を得やすく、反対に半減期の長いおくすりは、ゆっくり効いてくるため効かないと思ってしまうこともあります。

長く効くお薬は、依存面でいえば良いのですが、眠気やだるさが一日中続いたりと、長く効くことによる問題が起こることもあります。

Ⅲ.服薬期間はなるべく短く

ハルシオンをはじめベンゾジアゼピン系の睡眠薬はは1か月内服しただけでで依存性が形成される、と指摘する方もいます。

種類や量によるので一概には言えませんが、長期間飲めば依存形成が生じやすくなるのは間違いありません。

睡眠薬はずっと飲み続けるものではないのです。

不眠の原因となっている問題(多いのはうつ状態やうつ病、一時的な何かしらの影響によるストレスなど)に対しての解決・治療を模索し、睡眠薬はそのつなぎであることを認識することが大事です。

Ⅳ.服薬量は少なめで

不眠で焦ってしまうとつい、実感を得られるまでたくさんのおくすりを飲みたくなるのですが、量が多ければ依存になりやすくなります。

自身の満足が得られる睡眠を求めると確実に量は増え精神依存にも陥ります。

基本的に布団・ベッドに入ってじっと目をつぶっているだけでも睡眠としては十分という認識を持ち、決められた量より増やして飲んで自身の満足度を得られる睡眠を薬に求めないことが大切です。



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