ハルシオンを致死量服薬してしまう大量服薬(OD)とは?

ハルシオン大量服薬

ODオーディーといって薬を過量服薬した患者さんが救急搬送されてくることがあります。

過量服薬の中でも特に多いのが睡眠薬です。

ほとんどの場合、自殺目的というよりは、「どうでもよくなった」「楽になりたかった」という理由です。

過量服薬する理由の多くは「現実から逃避したい」「衝動を抑えたい」なのです。

ここではハルシオンの過量服薬と致死量(とくにご家族が発見された場合用)について解説いたします。



ハルシオンの致死量

ハルシオンには脳を抑制させるはたらきがあるため、もちろん大量に飲めば呼吸停止に至って死ぬ可能性はあります。

しかし結論から言うと、ハルシオンを大量に飲んで自殺することは不可能です。

なぜなら「大量」というのは、ハルシオンを数千錠とか数万錠とか、物理的に不可能なレベルです。

飲んでいる間に意識を失ってしまうだけなのです。

「死のう」と思って睡眠薬を過量服薬しても死に至ることはありません。
途中で嘔吐して、窒息などのことがない限り薬効成分で致死的になることはほとんどないのです。

ハルシオンを過量服薬すると・・・

ハルシオンを過量服薬(OD)した場合、どうなるのでしょうか?

大量に飲酒した時と同じで、眠ってつぶれたような状態になります。

ハルシオンの包装が散らばった状態で、眠っている患者さんを家族や知り合いが発見し救急搬送されることがほとんどです。

救急搬送されると、睡眠薬を内服してから数時間(1-2時間)以内は、胃に残っている可能性があるため「胃洗浄」を行うこともあります。
鼻から太いチューブを胃に入れて、胃に残っている薬物を物理的に洗い出す処置です。

この胃洗浄は、患者さんにとって大変苦しい処置となります。鼻に太いチューブを無理矢理ねじ込まれ、そこから水を入れたり出したりされるのです。

その後、活性炭という薬物を吸着してくれる働きのある真っ黒な物質をチューブから投与します。

意識がないので失禁することもあるため、尿のチューブやおむつをして意識の回復を待ちます。

1,2日で覚醒しますのでその間は入院になります。
目を覚ますと本人はよく寝たという感じでしょうが、医療者の目は冷ややかなことも多いです(これは医療者として取るべき対応ではないのですが、救急外来の戦場にODの患者さんが搬送されると冷たい言葉が飛び交うのは事実です)。

また、ODを一回してしまうと「また過量服薬をするのでは?」という目で見られ、主治医との信頼関係も揺らぎます。
そうなると、お薬を多めにはだせず最小限しか難しくなります。

一回で処方してもらえるお薬が減ると何度もクリニックに通うことにもなります。

過量服薬の衝動への対処法

ODについては実は多くの方が勘違いされているのですが自殺目的ではありません。

衝動が原因です。
自暴自棄になっているときに起こるか、どうしても衝動コントロールできないために鎮めるために行っているのです。

決してパフォーマンスではありません。

衝動コントロールとしては、壁をなぐる、リスカ、大声をだす様々な方法がありますがその中でODという選択肢を取るのです。
そして死なないことは本人もなんとなくわかっているのかもしれません。

服薬管理といって薬を他の方が管理していても、いつのまにか個人輸入で手に入れていたり、人によっては万引きやリスカ、怒りを誰かにぶつけるなど別の方法で衝動を鎮静化させることもあるのです。

ですからODをODとしてみるのではなく、衝動コントロールの手法として様々な方法がある中での1つとしてみる必要があるのです。

では衝動はなぜ起こるのかですが、多くの場合人間関係です。
人間同士の衝突はどこにでも起こるものですが、往々にして過敏性の強い特性柄ちょっとしたことでも過大に受け止めてしまうのです。

ODする前にはサインがあります。
人間関係の衝突が起こりむしゃくしゃしています。

そしてそのサインに周囲が気づかずスルーしてしまったときに行為が行われるのです。

衝動性のコントロール目的では気分安定薬や抗不安薬、抗精神病薬などが処方されることもありますが、それでも一過性の人間関係の衝突で起こる発作を鎮めることは難しいのです。

サインに気づき、話を聞いてあげる(特に答えを求めているわけではない)が周囲のできる方法なのです。


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