レクサプロ錠
レクサプロ(一般名:エスシタロプラム)は2011年に発売された抗うつ剤です。
SSRIというタイプの抗うつ剤に分類され、現時点では一番新しいSSRIになります。

SSRIに分類される抗うつ剤で最も新しいお薬です。
SSRIは、「選択的セロトニン再取込阻害薬」のことで、神経伝達物質「セロトニン」を増やすことで抗うつ効果を発揮します。

レクサプロは効果と安全性のバランスの良さに定評があり、世界的にも最も売れているSSRIになります。


レクサプロの効果と特徴

レクサプロの最大の特徴は「抗うつ効果と副作用の観点からの安全性のバランスが優れている」点です。
デメリットは薬価が高いところにあります。

抗うつ剤は基本的に、「効果は強いが副作用も強い」「副作用は少ないが、効果も弱い」ことがほとんどでした。
効果を望もうとしても副作用で飲み続けることができないということがしばしばあります。

ところが、レクサプロは「効果もそこそこありつつ、副作用も少ない」という良いバランスのお薬なのです。

MANGA Studyという数ある抗うつ剤でどのお薬が優れるのか比較した研究で、「レクサプロは最も継続性、有効率が高いSSRI(抗うつ剤)」と結論づけられています。

レクサプロがランキング1位の抗うつ剤?

MANGA study(マンガ研究)という有名な研究があります。

数ある抗うつ剤の中でどのお薬が優れるのかを比較した研究で、その指標は「抗うつ剤の継続のしやすさ(忍容性)と抗うつ効果」となります。簡単に言えば「抗うつ剤の効果と副作用ランキング」です。

抗うつ効果と副作用のバランスに一番優れる!とされたのがなんとレクサプロなのです。

これでは世の中のうつ病治療はレクサプロ一択になってしまいますね?

実際レクサプロは最も処方される抗うつ剤であることは間違いないのですが、うつ病治療ガイドラインの見解では第一選択に使用される抗うつ剤(レクサプロをはじめとするSSRI、そのほかSNRIやNaSSA)は優劣なしとされています。

抗うつ薬は個人差の強いお薬ですから、結局一般化はできないというのが正しい考え方だと思います。

効果実感はいつ頃?

レクサプロは効果発現までのステップが短く、早く効果が出るのも利点です。
レクサプロはSSRIの中で唯一、「開始用量が治療用量」であるお薬です。

これはどういう事かというと、例えば通常抗うつ剤は副作用が出やすいことから必ず少ない量から始めて、徐々に効果を発揮する量まで増やしていくというタイムラグ(結局1か月くらいかかることも少なくない)が必要になります。

しかし、レクサプロは最初から治療に必要な量でスタートできるのです。

レクサプロは10mg錠から開始して、その10mg錠がもう治療に十分な量なのです。
早ければ内服後1週間で効果を実感できるのです。

薬価が高いのがデメリット

デメリットとして「薬価が高い」という点があります。

まだ新しい抗うつ剤ということもあり、SSRIの中でも料金は一番高く、レクサプロ錠10mgで202.3円です。
※比較として、パキシル20mg(レクサプロ10mg相当)143.90円

ジェネリック医薬品

レクサプロは、2011年に発売されたお薬で、この製品の特許が切れていないことから2019年1月現在はまだジェネリック医薬品は登場していません。

ジェネリック医薬品は、オリジナル製品の発売から10年ほどは成分特許があるため独占的に販売されます。

当然、ジェネリックは時間の問題で「エスシタロプラム錠」として登場するでしょう

適応疾患

レクサプロはどのような疾患に用いられるのでしょうか。
添付文書での適応疾患は以下の病態です。


  • うつ病、うつ状態
  • 社会不安障害

 実際、「うつ病、うつ状態」と「不安障害」の患者さんに処方することがもっとも多いお薬で、「社会不安障害」以外にもその他の不安障害にもしっかりした効果があります。

セロトニンは「落ち込み」「不安」に有効でパニック障害や社会不安障害、強迫性障害といった不安障害圏の疾患に使用されることがあります。

こんな方におすすめ

レクサプロの特徴をおさらいすると、


  • 効果と安全性のバランスが良い
  • 効果が発現するまでが早い(最短1週間)
  • セロトニンを集中的に増やしてくれる
  • 薬価が高い

以上よりレクサプロはうつ病や不安障害治療において、最初に飲むのに適したお薬です。
現に一番処方されている抗うつ剤でもありますね。

副作用が比較的少なく、吐き気や眠気などの副作用もそこまで強く出ないため、日常生活に支障を与えにくいことは大事な点です。

また、SSRIの中でもレクサプロとジェイゾロフトは特に女性に有効であるという報告もあります。

ただし2019年1月現在、ジェネリックがないので薬価は高めです。

用法 -効果実感から減薬・断薬まで-

レクサプロによる一般的な治療経過を紹介します!

レクサプロは添付文書の記載は以下の通りです。

10mgを1日1回、夕食後投与から開始して下さい。増量する場合は、1週間以上の間隔をあけて、最大量20mg/日を超えないように

10mgより開始し、1-2週間様子をみて、必要があれば20mgまで増量します。
レクサプロは10mgで効果的にも十分量であるので、増薬はせずそのまま様子を見ることもしばしばあります。

一般の抗うつ剤は、効いたと感じるまで最低でも2週間以上かかることが多いのですが、最初から治療量で始められるレクサプロの場合、1週間で効果を感じられる方も少なくありません。

内服初期には、吐き気や胃部不快感などが出現することがあります。
これはレクサプロ以外の抗うつ剤にある一般的な副作用で、むしろレクサプロは少な目です。

この副作用は、1-2週間で改善します。
どうしてもつらい場合は胃薬や吐き気止めを一時的に併用することもあります(最初から処方してしまう場合も多々あります)。

その後も、口渇、便秘、性機能障害などの副作用が出る事があります。

便秘は下剤を使えば対応できます。
口が渇くのは改善が難しい副作用です。

性機能障害も地味に困っている方が多く、私の場合バイアグラなどのED薬を使っていただくこともあります。

1か月で効いた感じがない場合20mgへ増量します。
これで数週間みても効果がない場合、レクサプロが効いていないと考えられますので、別の抗うつ剤への切り替えを検討するか、増強療法として気分安定薬や抗精神病薬を一緒に処方します。

レクサプロの効果が十分に出て、気分が十分安定したと感じられたら、ガイドラインに従って9か月以上はその量を維持します。

自分でやめてしまう方が多いのですが、この時期は症状が再燃しやすい時期ですのでしっかりと服薬を続けることが大事なのです。

この期間の服用を超えて、再発なく気分が安定していれば、2~3ヶ月かけてゆっくりとお薬を減薬していきます。
レクサプロの場合10mg錠が最低量なので、減薬は半分に分割して2週間内服、その後1日おき内服をはさむなどして断薬に至ります。

副作用

レクサプロは抗うつ効果と副作用バランスの最も優れたお薬という評価もある通り、その副作用は少ないのが特徴です。
とはいっても、基本的に抗うつ剤(SSRI)で認められる副作用は生じます。

レクサプロのよくある副作用

  • 口渇、便秘など(抗コリン作用)
  • ふらつき
  • 吐き気などの胃腸症状
  • 眠気・不眠
  • 性機能障害
  • 体重増加
  • 不整脈
抗うつ剤抗コリンめまい吐気眠気不眠性機能障害体重増加
トリプタノール
(三環系)
++++++±+++-++++
トフラニール
(三環系)
+++++±++++++
アナフラニール
(三環系)
++++++++++++
テトラミド
(四環系)
++-++--+
デジレル
レスリン
++-++-+++
リフレックス
(NaSSA)
-++-+++--+++
ルボックス
デプロメール
(SSRI)
++++++++++
パキシル
(SSRI)
+++++++++++++
ジェイゾロフト
(SSRI)
±+++±+++++
レクサプロ
(SSRI)
++++±+++++
サインバルタ
(SNRI)
+±++±++++±
トレドミン
(SNRI)
+±++±+++±
ドグマチール
スルピリド
±±-±±++

便秘、口渇、尿閉(抗コリン作用)

抗コリン作用とは、神経伝達物質「アセチルコリン」の働きをブロックしてしまうことで現れる主に自律神経のバランスが崩れることによる症状です。

口渇、便秘が生じる頻度が多いですが、他にも尿閉(おしっこが出づらい)、顔面紅潮(顔が赤くほてる)、めまい、悪心、眠気などが起こることがあります。

レクサプロは抗コリン作用は弱めですが、このような症状を起こすことがあります。

SNRI(トレドミン、サインバルタ)も抗コリン作用は少ないと言えます。

他に抗コリン作用が弱い抗うつ剤として、 Nassa(リフレックス/レメロン)やドグマチールなどがあり、これらはほとんど抗コリン作用を認めないことから、レクサプロでこの副作用が起こる場合にはこれらのお薬への変更を検討します。

抗コリン作用によって口が渇く、便秘、ふらつきが出る場合に対症療法として以下のお薬を処方されていることもあるでしょう。


  • 便秘がつらい場合は下剤
  • 口渇がつらい場合は漢方薬(白虎加人参湯など)
  • 尿閉がつらい場合はベサコリン、ウブレチドなどの尿の排出を助けるお薬

ふらつきやめまい(α1受容体遮断作用など)

起立性低血圧による症状です。

通常立ち上がる時には、脳に血液を十分な量送るために全身の血管を締めつけて重力に逆らって脳に血液を絞り出す働きがあるのですが、抗うつ剤にはα(アドレナリン)1受容体という部位を遮断し、この調整がかかりにくくなってしまいます。

このため立ち上がった時に脳に血流が一瞬少なくなってふわっとしてしまうことがあるのです。

SSRIの中ではレクサプロのα1受容体遮断作用は少なくこの副作用も起こしにくくなっています。

どうしてもふらつき、めまいがつらい場合は以下の対応を取ります。


  • 血管を締めるお薬、昇圧剤(リズミック、アメジニンなど)を服用する
  • 抗うつ剤の量を減らす


眠気(抗ヒスタミン作用)

レクサプロによる日中の眠気は比較的少ないと言えますが、それでも出る人には出ます。

眠気について詳細

不眠(セロトニン2刺激作用)

レクサプロは深部睡眠(深い眠り)を障害するため、不眠を起こす事があります。

眠気の副作用もありつつ、不眠の副作用もあるのです。
日中は眠いのに、夜眠ろうとしても質の良い睡眠がとれなくなってしまうそんなイメージです。

不眠で困る場合は、服薬時間を夕食後 → 朝食後にすると改善することがあります。

レクサプロの減薬も有効です。

それでも改善が得られない場合は、鎮静系抗うつ剤(デジレル、リフレックス/レメロンなど)を一緒に服用します。
不眠について詳細

性機能障害(セロトニン2A刺激作用)

勃起障害や射精障害、オーガズム障害などを性機能障害といいます。

レクサプロでも性機能障害は起こります。

体重増加(抗ヒスタミン作用)

体重増加は眠気と同じく、主に抗ヒスタミン作用で生じるため、眠気の多いお薬は体重も増えやすいと言えます。

Nassaに多く、三環系やパキシルもそれに続きます。

レクサプロは体重増加の副作用はあまり強くはありません。

しかし、抗うつ剤は長期間内服を続けるものですので、レクサプロでも太ってしまうことは十分ありえます。

運動や規則正しい食事などの生活習慣の改善で予防するのが一番ですが、それでも十分な改善が得られない場合は、他剤に変更するもの手になります。

体重を上げにくいという面でいえば、ジェイゾロフトやサインバルタが候補に挙がります。
体重増加について詳細

吐き気(セロトニン3刺激作用)

SSRIには吐き気や胃部不快感といった胃腸障害の副作用がつきものです。

これは、胃腸にもセロトニン受容体が存在するために起こる副作用です。胃腸にはセロトニン3受容体が分布しており、抗うつ剤の内服によってこの受容体が刺激されることで、吐き気が起きます。

SSRIはすべて、この吐き気を高頻度で起こしえます。

新薬であるレクサプロもその頻度は決して低くはなく、「吐き気は起きるだろう」くらいの気持ちを持って内服を始めた方が無難です。

この副作用の特徴は、長くは続かないことです。1~2週間我慢すれば、ほとんどの場合で自然と改善します。

なので、「我慢する」ことが一番の対応策になります。

どうしてもつらい場合は、吐き気がある間は胃薬を併用します。

ガスモチンやソロン、ムコスタなどの胃腸薬、タケプロン、ネキシウムなどの胃酸の分泌を抑えるお薬がよく使われるようです。 

吐き気について詳細

不整脈が突然死のリスクになることも・・・

レクサプロにはQT延長症候群という、心電図異常を起こすことがあります。
QTというのは、心電図の波形につけられた名前で、心臓の電気活動がリセットされる部分(時間)でもあります。

この時間に、次の電気活動が起こると致死的な不整脈を起こしてしまうことがあるのです。

QTが延長するだけでは無症状です。
だからこそ知らない間にこのリセット時間がのびていることに気づかれず不整脈を起こしてしまうことがあるのです。

仮に不整脈で意識を失っても、多くの場合でQT延長は見過ごされている可能性が高いのです。

離脱症状

レクサプロを減薬したり中断したときに起こる身体の様々な症状を離脱症状といいます。

正式には「中断症候群」といい、薬物依存などの「離脱症状」とは明確に区別されます。
ただし「離脱症状」の方がわかりやすいので抗うつ剤の離脱症状としてここでも説明していきます。

耳鳴りやしびれ(頭に電撃がはしったような感覚)、めまい、ふらつきなどが生じ、特に頻度が高いのは、耳鳴りが「シャンシャン」と鳴り、 手足が 「ビリビリ」痺れる、頭に電撃が走った感覚が突然来るなどからここから「シャンビリ」とも呼ばれています。

レクサプロは頻度は高くないと言われているものの、しばしば離脱症状に苦しむ方がいらしゃいます。

離脱症状「シャンビリ」で認める症状

離脱症状は、具体的にあらゆる症状が起こりえますが、頻度が多いのは次のような症状です。


  • 耳鳴り
  • しびれ(電気が走るような感じ)
  • めまい
  • 発汗
  • 吐き気
  • 震え
  • ソワソワ感(落ち着かない感じ)

どれぐらいの期間内服すると離脱症状が起こる?

基本、離脱症状はレクサプロを減量したり中止したときに3日以内に起きます

急にやめてしまったり、飲み忘れてしまったり、急に減らしてしまったり・・・

抗うつ剤は身体に慣らしながら使うお薬ですから、急激な濃度変化が離脱症状を引き起こすのです。

基本的には1か月以上内服した場合には急にやめてはいけません
飲み始めたばかりでやめるのは問題ありません。

離脱症状の起こりやすさは半減期で決まる

半減期が短い(=薬効時間が短い)ほど、離脱症状が起きやすいと考えられています。

離脱症状は血中濃度うの急激な低下で起こるものですから、半減期の短いお薬の方が起こりやすいのです。

抗うつ剤の種類
抗うつ剤半減期
三環系トフラニール9-20h
三環系トリプタノール18-44h
三環系アナフラニール21h
三環系ノリトレン18.2-35.2h
三環系アモキサン8h
四環系ルジオミール
マプロチリン
46h
四環系テトラミド
ミアンセリン
18h
SSRIパキシル
パロキセチン
14h
SSRIルボックス
デプロメール
8.9h
SSRIジェイゾロフト
セルトラリン
22-24h
SSRIレクサプロ24.6-27.7h
SNRIトレドミン
ミルナシプラン
8.2h
SNRIサインバルタ10.6h
NaSSAリフレックス
レメロン
32h
その他デジレル
レスリン
6-7h
その他ドグマチール
スルピリド
8h

レクサプロは半減期も20時間以上と長く、理論的には離脱症状が起こりにくいことがわかります。
よっぽどでない限りは起こりにくいでしょう。 

レクサプロの離脱症状に出会うのは、ほとんどが抗うつ剤の自己中断です。
いきなり飲むのをやめるとか、2日以上飲み忘れるなどは危険です。

離脱症状への対処法

レクサプロの離脱症状は「内服を自己判断で中止」「飲み忘れ」「自己判断による減量」がほとんどです。

中止すると、2日後くらいから徐々に離脱症状が出現してきます。

離脱症状による症状を疑ったらまずはもとの量に戻して服用してください

これですぐに症状が治まります。

もちろん主治医と相談しながら減薬していく際にも離脱症状が起こってしまうことがあります。
この場合の対策についてご紹介します。

様子を見る

基本症状が軽めであれば様子を見るのも可能です。
改善までに個人差はありますが4~8週間程度でほとんどの場合は良くなります。

ただし、数年以上続くなどの報告もあります・・・。

いったん減薬をストップする

減薬して症状がつらい場合、いったん元の量に戻せば改善します。

その後、時間をおいて再度挑戦すればうまくいくことが多々あります。

減薬ペースを落とす

いったん減薬を中止した場合でも、最初の減薬でも言えることですがゆっくりゆっくりが離脱症状対策の基本です。

例えば、レクサプロ20mgを内服していて、 10mgに減薬したときに離脱症状が出てしまったら、一旦15mgまで戻しましょう。
これで大丈夫なら15mgで慣らしたあとに10mgに減薬します。

15mgでだめなら17.5mgまで戻すことになります。

どの量なら大丈夫なのかを適宜判断しながらやっていきます。
これは主治医の感覚よりも自身の感覚の方が正確かもしれません。

離脱症状とうつの再発は間違えやすい!

離脱症状は、薬を減らしているときややめたときに起こる症状なのでどうしてもうつの再発なのではと考えてしまいがちです。
主治医に相談するときも、言い方を間違えるとうつの再発ととらえられてしまいがちです。

再発は薬を減らしたりやめてから数週間から数か月たってからです。

一方離脱症状は3日以内に現れます。

離脱症状は再度薬を服薬すればすぐにおさまることから判断が可能です。

太る?体重増加してしまったら・・・

抗うつ剤による体重増加は、「抗ヒスタミン作用」と「代謝抑制作用」によって起こります。

神経伝達物質「ヒスタミン」をブロックすることで有名な副作用は眠気ですが、実はヒスタミンは食欲を抑える働きがあることが知られています。

これがブロックされることで食欲が出やすくなってしまうのです。

また同時に代謝を落とす作用もあるので、同じ量を食べていても太りやすい体質になってしまうのです。

レクサプロはそれでも抗うつ剤の中で太りにくい方ではあります。 

抗うつ剤の種類
抗うつ剤太りやすさ
三環系トフラニール++
三環系トリプタノール+++
三環系アナフラニール++
三環系ノリトレン++
三環系アモキサン++
四環系ルジオミール
マプロチリン
++
四環系テトラミド
ミアンセリン
SSRIパキシル
パロキセチン
++
SSRIルボックス
デプロメール
SSRIジェイゾロフト
セルトラリン
SSRIレクサプロ
SNRIトレドミン
ミルナシプラン
±
SNRIサインバルタ±
NaSSAリフレックス
レメロン
+++
その他デジレル
レスリン
その他ドグマチール
スルピリド

対処法

食欲増進と代謝が落ちることによって太りやすくなります。
ですからどんなに食事に気を付けていても、以前よりは太りやすいことに留意すべきです。

適度な有酸素運動や筋トレがなければ代謝は落ちる一方で、簡単に太ってしまいます。
食生活や運動は残念ながら必須です。

減薬する

減薬は有効です。
しかし主治医からは、採血で糖尿病リスクが上がらない限りこの提案はされないでしょう。

薬をやめれば、減らせば戻ると安易に考えるのも危険です。
多少は戻りますが、完全に戻らないこともしばしばです。

やはり食事と運動習慣に気を付けておくのが一番です。

変薬する

「太りにくい」という点ではSNRIであるサインバルタ、同じSSRIのジェイゾロフトあたりでしょうか。

体重のためだけにレクサプロから切り替える例はあまりありません。
ましてや抗うつ剤の切り替え時には離脱症状のおそれもあるためこれもやむをえない場合のみとお考えください。

眠気にどう対応する?

レクサプロで眠気が生じるのは、神経伝達物質「ヒスタミン」の作用をブロックすることによります。
具体的には「ヒスタミン受容体」というヒスタミンの受け取り口をブロックしてしまうのです。

花粉症やアレルギー疾患で内科などで処方されるお薬に「抗ヒスタミン薬(ヒスタミンブロッカー)」と呼ばれるものがありますがこれを飲んだことがある方ならいかに眠くなってしまうのかお判りいただけると思います。

更に抗うつ剤の場合、この抗ヒスタミン作用以外にも、α1受容体遮断作用(※1)、5HT2(セロトニン2)受容体遮断作用(※2)などがあり、これも眠気の一因となってしまいます。

※1:αとはアドレナリンのことで、アドレナリン1受容体が遮断されると血圧が低下し、ふらついたり、ボーッとしたりします。
(α1受容体遮断薬は降圧剤として使われています。エブランチル、カルデナリンなど。)

※2:5HTとはセロトニンのことで、セロトニン受容体のうち、5HT2という受容体を遮断すると神経興奮が抑制されます。

これは気持ちが落ち着くという良い作用でもありますが、興奮が抑制されれば眠くなります。

レクサプロの眠気は、他の抗うつ剤と比べると決して強いわけではありません。
したがってレクサプロで眠気が出てしまって変薬しようという場合、その変更先はSSRIではジェイゾロフト、もしくはSNRIあたりになるでしょう。

抗うつ剤の種類
抗うつ剤眠気
三環系トフラニール
三環系トリプタノール++
三環系アナフラニール
三環系ノリトレン
三環系アモキサン
四環系ルジオミール
マプロチリン
++
四環系テトラミド
ミアンセリン
++
SSRIパキシル
パロキセチン
SSRIルボックス
デプロメール
SSRIジェイゾロフト
セルトラリン
±
SSRIレクサプロ±
SNRIトレドミン
ミルナシプラン
±
SNRIサインバルタ±
NaSSAリフレックス
レメロン
+++
その他デジレル
レスリン
++
その他ドグマチール
スルピリド
±
対処法
様子を見る

眠気は多くの場合、飲み初めだけに見られるため1-2週間で身体が慣れて眠気が出なくなる可能性が高いです。

減薬する・増薬をストップする

レクサプロは10mgから開始し、1週間以上の間隔をあけて必要があれば20mgへ増量します。

レクサプロは10mgから増量しなくても治療量としては十分なことが多いので、10mgですでに眠気が出てしまう場合このまま様子をみるかいったん半分に分割して5mgで1-2週間様子をみて、身体が慣れて眠気がでなくなってから10mgに戻します。

併用薬やアルコールに注意

併用薬によっては、レクサプロの副作用を強くしてしまうことがあります。


併用注意のお薬

  • タガメット(胃薬)
  • オメプラゾール(胃薬)
  • ランソプラゾール(胃薬)
  • トリプタン系(片頭痛薬)
  • トラムセット(鎮痛薬)
  • パナルジン(抗血小板剤)

また、酒は抗うつ剤の血中濃度を不安定にします。

飲酒をしながらレクサプロを飲んでいたら、 血中濃度が不安定になるため
眠気が強く出る可能性があります。この場合、断酒しない限りは改善は図れません。

服用時間を変える

飲む時間を変えるのも有効です。

レクサプロは添付文書では「1日1回夕食後の服用」と記載されていますが、変えても基本的には24時間ごとにしていただければ問題ありません。

眠気の出る時間帯が日中でなくなる可能性があります。

ただし、レクサプロは睡眠を浅くする可能性があるので不眠気味になるようであれば戻した方が良いでしょう。

吐き気は飲み初めに多い、いつまで?

レクサプロによる吐き気
吐き気は内服初期に起こりやすい副作用です。

レクサプロは「脳のセロトニンを増やす」ことで抗うつ効果を発揮しますが、実際は脳以外の様々な部位のセロトニンを増やし、胃や腸のセロトニン増強作用によって吐き気が生じてしまうのです。

具体的には、消化管に存在するセロトニン3受容体が過剰に刺激されてしまうことによると考えられています。

しかし多くの場合、1-2週間たつとレクサプロを投与された状態でのセロトニン量に身体が慣れてくるため、吐き気は改善します。

レクサプロは副作用の少なめのお薬ですが、残念ながら吐き気に関しては通常の抗うつ薬とそこまで変わらないかもしれません・・・。

抗うつ剤の種類
抗うつ剤吐き気の出現頻度
三環系トフラニール±
三環系トリプタノール±
三環系アナフラニール
三環系ノリトレン±
三環系アモキサン±
四環系ルジオミール
マプロチリン
四環系テトラミド
ミアンセリン
SSRIパキシル
パロキセチン
++
SSRIルボックス
デプロメール
+++
SSRIジェイゾロフト
セルトラリン
++
SSRIレクサプロ++
SNRIトレドミン
ミルナシプラン
SNRIサインバルタ++
NaSSAリフレックス
レメロン
その他デジレル
レスリン
その他ドグマチール
スルピリド
対処法
様子をみる

1-2週間で自然と改善することが分かっているので、軽い吐き気であれば、そのまま様子を見るのが申し訳ありませんがベストです。

胃薬を一緒に飲む

胃薬を使えば吐き気を軽減できます。

胃腸炎や胃潰瘍の時に内科で処方される整腸剤や胃粘膜保護剤です。、
最初から予防的に胃薬を出しておく先生も多いです。

どうしてもの場合、市販薬でも有効です。

抗うつ剤の種類を変える

滅多にありませんが、どうしても改善が得られず、吐き気が続く場合は他の抗うつ剤に変えます。

吐き気が少ないということで考えると、リフレックス/レメロンやドグマチールが候補として挙がります。
リフレックスは眠気と太りやすいですし、ドグマチールは抗うつ効果は弱めになりますのでそこに注意が必要です。

不眠になってしまったら・・・?

レクサプロは神経伝達物質「セロトニン」を増やす方向に作用します。

不眠が起こるのは、5HT(セロトニン)2A受容体が刺激され中枢神経が興奮するためです。
抗うつ効果を発揮するとともに、覚醒レベルを上げるため不眠になりやすくなってしまいます。

レクサプロは不眠が比較的起こりやすい副作用です。

抗うつ剤の種類
抗うつ剤不眠の作用
三環系トフラニール++
三環系トリプタノール-
三環系アナフラニール
三環系ノリトレン
三環系アモキサン++
四環系ルジオミール
マプロチリン
-
四環系テトラミド
ミアンセリン
-
SSRIパキシル
パロキセチン
++
SSRIルボックス
デプロメール
SSRIジェイゾロフト
セルトラリン
++
SSRIレクサプロ++
SNRIトレドミン
ミルナシプラン
SNRIサインバルタ++
NaSSAリフレックス
レメロン
-
その他デジレル
レスリン
-
その他ドグマチール
スルピリド
-
対処法
様子をみる

副作用は最初の1-2週間だけであることが多々あります。
まずは少し様子をみてみましょう。

減薬する

レクサプロは10mg錠からスタートします。

これが最小量なので、どうしても不眠でつらい場合には半分に割った5mgを飲んでみることになります。

5mgから初めて、少し様子をみてから10mgに上げると、副作用が出にくくなります。

催眠作用の強い抗うつ剤や睡眠薬を併用する

催眠作用の強い「鎮静系抗うつ剤」を一緒に使用することも有用です。


鎮静系抗うつ剤

  • 四環系抗うつ剤(ルジオミール、テトラミドなど)
  • Nassa(レメロン、リフレックスなど)
  • デジレル/レスリン

ただし、抗うつ剤が2種類になってしまうので少し抵抗があるかもしれません。

睡眠薬も有効です。
ただ注意が必要なのは特にベンゾジアゼピン系睡眠薬では依存性や耐性ができやすいことが問題です。

多くの場合漫然の飲んでいる状態、効いているか効いていないかわからないとなるため、私は抗うつ剤の副作用として不眠が出た場合には睡眠薬をおすすめしていません。

薬の副作用で不眠がでたら基本的には経過観察、だめなら減薬して慣れてから増薬の方針です。

別の抗うつ剤に変える

どうしても不眠の副作用がつらい場合には、別の抗うつ剤に変えるのも手です。

レクサプロと同じSSRIでジェイゾロフトもまた副作用の少な目のお薬です。
これもまた不眠になるリスクは同程度ありますが、不思議と変更がうまくいく場合もあります。

また催眠作用の強い「鎮静系抗うつ剤」も有効ですが、別の副作用(太る、日中眠たすぎる)に困ることもありますので、主治医とよく相談してください。

レクサプロと飲酒

レクサプロとアルコールを併用しない方が良い理由はいくつかあります。

どちらも脳に作用することは大事な点で、「レクサプロとアルコールの相互作用」という観点と「うつ病に対するアルコールの作用」という2つの視点でとらえることができます。

考えられる起こりうるリスクは以下が挙げられます。


  • うつや不安がより悪化する
  • アルコールによって危険な副作用を起こしやすくなる
  • 認知や注意が障害される

うつや不安が悪化する

レクサプロとの相互作用というより、うつ病に対するアルコールの作用です。

アルコールはうつ症状や不安症状を増悪させる方向にいきますし、睡眠の質を落とす要因になります。

アルコールで危険な副作用を起こしやすくなる

アルコール常習者では、心電図でQT延長を認めることがありこれに抗うつ薬が加わると危険な不整脈を起こす可能性すらありますので、アルコールを1回のんでしまったことよりもアルコールを常習していて抗うつ薬も一緒に飲むことが大きな問題なのです。

認知や注意が障害される

アルコールを慢性的に飲んでいるだけでも認知や注意・反応速度が鈍くなりますが、抗うつ薬と合わさるとより障害されやすくなります。

未成年者の服用について

レクサプロの未成年への投与は、効果が確立していないため、「安易に使用しないように」「できる限り使用しないように」と言われていますが、レクサプロは「12歳未満には慎重投与」の記載になっています。

他の抗うつ剤が18歳未満に慎重投与となっている中、レクサプロの場合、12~17歳の未成年に対しては、レクサプロの有効性が確認されたという報告もあるのです。

いずれにせよ、未成年者への抗うつ剤は自殺率の増加などの報告もあり注意は必要です。



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