2015年12月より社員のの精神状態を1年に1度チェックすることが義務付けられました(従業員50人以上の事業所)。
ストレスチェックの狙いは自分のストレス状態を知って早めに対処し、うつ病・うつ状態で休職に陥ってしまうことを防ぐことにあります。
ストレスチェックで高ストレス状態と出た場合でも、自覚症状のない方が見受けられます。
いわばなんとか気力で乗り切ってしまっている状態なのでしょう。
放っておくと仕事ができない状態になってしまうかもしれません。
Contents
もしかしたら自分、うつ病かもしれません・・・
疲れやすい、気持ちがついてこない、いろいろなことが楽しめない・・・
うつ状態に陥ると、うつ病かどうかが気になるはずです。
しかし、この判断はとても難しいです。
光トポグラフィー検査という客観的指標を導く補助検査はありますが、これもうつ病かどうかを判断する検査ではありません(うつ病と双極性障害などを鑑別する検査です)。
うつ病かどうかのスクリーニング検査に「二質問法」というものがあります。
- この 1 ヶ月間,気分が沈んだり,憂うつな気持ちになったりすることがよくありましたか?
- この 1 ヶ月間,どうも物事に対して興味がわかない,あるいは心から楽しめない感じがよくありましたか?
この2項目のうち最低1つ満たすかによって、一般診療におけるうつ病のスクリーニングとして十分であることが米国で示されており、日本の職域でのうつ病スクリーニングにも有用であることがわかっています。
そしてもう一つの判断基準に「不眠」の症状があります。
現時点でうつ病を発症していなくても不眠を訴えている患者は、3年以内にうつ病を発症する危険率が4倍高くなることが報告されています。
ですから、不眠の訴えがあればうつ病の発症をまず疑い、2項目質問票の1つにチェックがつくならすぐに医療機関を受診し、その時点で仮にうつ病と診断されていなくても、今後うつ症状が出現する確率が高いことを認識しておくべきです。
- Riemann D, Voderholzer U : Primary insomnia : a risk factor to develop depression?. J Affect Disord 2003 ;76 : 255―259
- 尾崎紀夫:不眠の訴えからうつ病診療へ 一般診療における留意点.日経メディカル 2005 ; 三月号 :132―133
- Whooley MA, Avins AL, Miranda J, et al : Case-finding instruments for depression. Two questions are as good as many. J Gen Intern Med 1997 ; 12 : 439―445
- 鈴木竜世,野畑綾子,金 直淑ほか:職域のうつ病発見および介入における質問紙法の有用性検討:Twoquestion case-finding instrument と Beck Depression Inventory を用いて.精神医学 2003 ; 45 : 699―708
うつで仕事できない状態になってしまったらどうしたら?
うつ状態だから怒られることが多いのかも・・・
上司に怒られる事が多い、残業・休日出勤が増えているは要注意です。
仕事の効率が落ちているかもしれません。
背景に以下の症状がありませんか?
- ミスが多い(注意散漫)
- 集中力がなく、仕事が進まない(集中力低下、仕事の能率低下)
- 人の話や文章が理解できない(理解力低下)
- 考えがまとまらない(思考力低下)
- 些細なことでも判断、決断できなくなる(判断力、決断力低下)
- ふとした時に悲しくもないのに涙が出てくる(感情失禁)
- やる気が起きなくなる(無気力感)
- 身体がだるい、重い(疲労感、倦怠感)
- 気分が落ち込み、仕事が手に付かない(抑うつ気分)
- 夜に十分な睡眠が取れず、日中の眠気が強い(不眠)
- 遅刻・早退・欠勤が増えている
このような状態に陥ると、自力で回復は難しくなります。
仕事ができない自分を否定し、ついに行けなくなってしまうのです・・・。
対処法
症状が出るに至ったきっかけを探して改善することができればよいですが、多くの場合解決できないことが問題のはずです。
現時点で既に仕事できない状態であれば、心療内科・精神科で専門医に診てもらうようにしましょう。
ただし、周囲に心配かけないようにと一人で抱えないでください。
この状態から回復するのには少なくとも2,3日でというわけにはいきません。
絶対に周囲の理解は必要です。
家族、友人、恋人、職場の人、産業医など相談しておきましょう。
理解されなくても耳にいれておくべきです。
仕事はいったんお休みする
周囲に話したり、心療内科に受診するにしても仕事をどうするかは大きな問題です。
以下の選択肢があるでしょう。
- それでも今の状態で続ける
- 仕事の負担を減らしてもらう
- 休職する
うつ状態のときは効率を下げて普段だったらできることが半分以下のパフォーマンスになります。
無理に仕事をしても周囲に迷惑をかけてより自分を責めて、ついに仕事を辞めるという決断にいきがちです。
仕事はこの段階で絶対にやめないでください。
使える制度、このために支払ってきた社会保障などもあります。
まずはいったんお休みしましょう。
休職するかどうかは決めなくても良いです。
いったん数日でもお休みすることです。
いったん落ち着いてから会社(上司、同僚、人事、労務など)に自身の現状を説明する機会が必ずやってきます(会社側はこのような経験を常にしています)。
会社側から休職を提案されることも最近は多いのです。
「仕事を辞めよう」
「転職すればなんとかなるかもしれない」
このように考えているうつ病・うつ状態のかたは非常に多いです。
「怠けているのではないか」
「甘えているのではないか」
「この環境が悪い」
という思考を持つことでこのような考えになるのですが、うつ病・うつ状態に陥ったために仕事できない状態にあるのであり、決して怠けや甘えなどではありません。
ですからまずは、「会社を辞める」という判断ではなくそれなら「休職」をとるようにしましょう。
休職には通っている病院の医師から診断書を書いてもらい提出する、産業医がいるなら相談するなどして、休養の手続きを進めることができます。また、休職にともない有給休暇や健康保険加入者を対象とした傷病手当金などが活用できる場合があります。社会保険事務所、もしくは会社の総務・労務・人事など担当の部署に確認してみましょう。
うつを周囲に伝えるのが怖いときどうしたら・・・
うつ病に対しては言葉は浸透したものの、世間は十分に理解しているとは言えないでしょう。
未だに、うつ病になるのは「心が弱い」「ストレスに弱い」せいで、気合いが入っていないだけの単なるなまけ者、甘えであると考える人もいます。
だからと言って、周囲にうつ病が「脳(特に前頭葉)」という1つの臓器の機能不全であることを一生懸命に説明したところで、その人の考えが変わるわけでもありません。
しかし、こんな見方もできます。
うつ病を隠すことで逆に周囲に「仕事への意欲がない」「なまけている」「甘えている」と誤解されて見られているかもしれないことです。
まずは、きちんと自分の病状を職場に報告し、周囲からサポートを受けられるような状態を整えておくことが重要です。話してみると上司も「昔自分もうつ病だった。」ということを逆に聞いて安心したという患者さんもいらっしゃいます。
近年「仕事のストレス → うつ病 → 自殺」がマスコミにとりあげられることも多く、個人は別ですが会社全体としては昔のように精神論を押し付けることはだいぶ少なくなりました。
それでも「休職は絶対にできない!」そんな時はどうしたら?
うつ病の治療では休養は有効な手立ての1つです。
ですから働きながら治療を受けることは必ずしも望ましいとは言い切れません。
それでも休職できない状況というのも現実問題あるでしょう。
その場合は、必要な時には休養を取ることができる環境を整えておきます。
少なくとも、そのためにも会社には必ず自分の病状を報告し、業務内容や勤務時間も配慮してもらえるようにする必要があります。
今は少ないですが仮に「怠けている」というレッテルを貼られたとしても・・・。
報告することで「それなら少し休んだ方がいいのではないか?」と逆に会社から言ってくれる場合も非常に多いです。
全員の理解が得られなくても組織としてはそのようなあなたを受け入れざるを得ません。
いつも通りに働き続けていると、うつ病が悪化した時に、業務にも影響を与えてしまう可能性があります。
もし働きながらうつ病の治療を行う場合は、自分ひとりの問題と捉えず、周囲のサポート・情報共有を心がけるようにしましょう。
自分でこうすべきと決めつけず必ず医療機関と相談し、必要に応じて診断書を出してもらう場合もあるでしょう。
まとめ -大切なことは仕事を勝手に辞めないこと-
うつ病の状態では極端な思考になりがちになり後々後悔することもありますし、仮に休職になったときには傷病手当も申請することが可能です。
「今辞めるか」「辞めないか」の二択ではなく、「一度ゆっくりと期間をおいて考える」「誰かに相談する」ことが必要です。
仕事できない原因がうつ病にあると分かれば、治療をすることで症状が軽快し、仕事ができない状態も改善されるでしょう。
うつ病からの復帰、復職について
復職においての一番の問題は、再度うつ病が再発するのではないかの懸念です。
いくら休職中に改善していても、社会復帰となると違います。
それは2つの課題をクリアーしなくてはならないからです。
1つは医療者が復帰できると考えるレベルと、職場が復帰してもよいと考えるレベルの乖離があることです。
よく患者さん本人に復職について聞くと、「会社が完全によくなってから復職すればよい」と言ってくれていると答えられますがそれは最も酷な答えです。
ひとたびうつ病になると、様々なパフォーマンスが落ちます。
最も落ちるのは仕事の「カン」です。
これだけは、リハビリによってしか(しかも現場の)改善しません。
実際に復職してからの特に1か月が重要なのです。
最初の1か月は仕事のカンを取り戻しつつ、周囲の目を気にしなくてはいけない最も大変な時期なのです。
この1か月を超えて職場の言う「完全によくなった状態」に近づくわけですから、休職中にそもそも完全によくなるはないと考えられます。
さらにもう1つの課題は、家と職場のストレスの違いです。
これは復職を目前にした多くの方が自覚しているはずです。
これらをクリアーしてはじめて復職が成功し、再発率を下げることになるのです。
具体的な復職の方法
復職は治療がひと段落ついた状態から検討を始めます。
具体的には抗うつ剤などの薬物量が変わらない状態で、日常生活は支障がない、外に出ることができる状態が前提です。
この段階で医師からの職場復帰ができそうという意見をまずもらいます。
このための必須条件は、「①生活リズムが整っている」、「②自身で服薬管理できる」です。
この時期の不眠に関しては、うつ病のバロメーターにしない方が良いでしょう。
常に眠るときに職場復帰のことを考えていたり不安要素があるからです。
次に職場に復職が可能との意見が医師から出たことを告げます。
この段階で職場から主治医の意見書(診断書)が求められます。
同時に職場の産業医の面談が組まれます。
この面談では産業医が復職可否を決めるというよりは、いつからどのような仕事内容なら可能かを相談することになります。
復職日が決まって、そこから出社となりますがその日が決まると体調がやや落ち気味になる方がいます。
しかしこれは復職への現実的な不安に対しての反応ですから安易にうつの再発と考えるのはやめましょう。
復職に向けてすべきこと
上記のように復職についてのステップが進みだしたら、日常生活を整えに行くこと、図書館など人の集まる公共施設に出向いてみることは良いリハビリになります。
そして必ず数回はやっておく必要があるのが職場への接近です。
職場に近づくとそれだけでストレス過剰になりダメになる方もいますが、訓練をしておくのです。
ただしこれだけでは不十分です。
なぜなら職場復帰の目標の1つとして、職場復帰後になるべく早い段階で仕事の「カン」を取り戻すことが必要になるからです。
そのためには「作業する能力」を回復させる必要があります。
復職直後から、最もストレスになりやすい「人とのやりとり」「人間関係に関する職務」を多く課せられることはほとんどありません。
業務をこなすことができるかが見られます。
ですから「作業する能力」が重要です。
図書館などで新聞を読んで気になる記事についてまとめてみたり、実際に何らかの作業をしていくことが重要です。
まとめ「職場復帰において大切な事」
医療者が職場復帰可能と判断しても、職場で求められるレベルとの乖離があることをよく理解しておきましょう。
さらに復職が決まるといったん不安が強く出ますが、これは職場復帰して1か月は続く可能性があります。
復職後に早期に仕事の「カン」を取り戻すことがその後の自信につながります。
「人と人との関係作り」はまた必ずふりかかる絶対的ストレスです。
前回はどのような対応をしていたことによってそのストレスが大きくなったのかも振り返ると良いでしょう。
これは職場をもし変えたとしても、「人間関係ストレス」は数か月後に必ずやってくるのです。
現在、仕事がない場合
仕事を辞めないことが大事とはいっても治療が長引いたり、都合によって退職せざるを得ない状況ももちろんあります。
うつ病の治療が長引いて仕事をやめざるを得ない状況になってしまったとき、次に問題になりやすいのは仕事ができそうになったときに次の仕事をどうするかです。
もちろんやらなければいけないこと、次にやるべきことが決まっていれば別かもしれませんが再び同じ状態になったらどうしようという怖さもあるでしょう。
ながらく働けていなかった場合、通常の職務への復帰に不安があるなら障害者手帳(精神障害)を取得して障害者枠での雇用も可能です。
ハローワークに通っているけどなかなかないという場合、障害者の就・転職ならアットジーピー【atGP】
などの精神障害がある方用の転職サイトもありますので利用してみるのも良いでしょう(障害者のことを一番に考えた求人の仕組みになっておりますので、登録だけでもしておくと何かと便利です)。
様々な立場からの意見
産業医の意見
社員から希望があればいつでも面談することができます。
会社の人事・労務と社員の間を中立的立場で介入し、社員からは職場環境のストレス因子や、異動などの希望を聞き必要があれば職場環境の調整をすることも可能です。
また直接上司には言えないことも相談頂いたりすることがありますが、もちろん守秘義務で守られていますので安心して相談してみてください。
異動した方が良いか、就業制限した方が良いかを会社の人事・労務と調整していきます。
休職になる場合には、主治医の診断書が必要になります。
基本的に休職した場合、完全に良くなってから復職してくださいと言わざるを得ないですが、実際問題は復職には結構なストレスがかかることが多く、徐々にフルタイムで勤務していくように支援していく場合もあります。
精神科医の立場から
まずは、しっかりと問診をして現在の状態を把握します。
うつ病を疑う場合には光トポグラフィー検査という客観的に現在の状態を評価できる検査機器も有用です。
その結果、必要に応じて休職をすすめ、休職する場合には診断書を発行します。この方法はストレス因子が職場にある場合には有効です。
ただし、ストレス因子が仕事ではなく、家庭の事情などプライベート、借金などの経済的な問題の場合は休職が逆効果になる場合があります。
職場が直接のストレス因子でなくとも、うつでは過敏性がでてくるため、職場で起こったちょっとしたトラブルが落ち込みやイライラにつながり、抑えきれないで問題になる場合もあります。
職場にも影響がでて仕事できない、仕事行けないということがあるためこの辺のストレス因子をしっかり整理していく必要があるでしょう。
経過次第では抗うつ薬を中心に薬物療法を始める場合もあります。どうしても改善なく、薬を飲みたくない、薬の副作用(眠気・だるさなど)が辛い場合、現在は磁気刺激治療(TMS)という薬を使用しない治療方法もあります。
利用できる様々な制度
医療機関にかかって治療が必要になってしまった場合には以下の制度が受けれます。
自分で申請するものなので知らないと受けることができないものです。
自立支援医療費制度
<制度の概要>
通院治療の負担軽減を目的とした制度です。
医療保険は医療費の3割負担が基本ですが、この制度を併用すると負担が1割に軽減されます。
実際には所得に応じて、それ以上に軽減される場合もあります。
<申請方法>
お住まいの区市町村が申請窓口となります。
必要書類は役所窓口にある「自立支援医療費支給認定申請書」が、別途マイナンバーの記入と主治医の記入する「自立支援医療診断書」が必要になります。医療保険の被保険者証と所得を証明する書類(課税証明書など)も一緒に提出します。
<申請後の流れ>
認定された場合、都道府県知事から「自立支援医療受給者証」が交付されます。
ただし、自立支援医療制度が適用される医療機関・薬局はすべての機関ではないことに注意しましょう。
有効期間は1年間で、治療が長引く場合は更新手続きが必要になります。
精神障害者保健福祉手帳制度
<制度の概要>
精神障害を持つ方が一定の障害にあることを証明し、この手帳を持つことにより税金の減額、公共交通機関(バス、電車、タクシーなど)、NHK受信料、NTT・携帯電話料金などにおいて割引が受けられます。
障害者手帳(精神障害)を取得して障害者枠での雇用も可能になります。
有効期間は2年間です。
<申請方法>
お住まいの区市町村窓口にある申請書(マイナンバーの記入が必要になりました)、診断書を提出します。
診断書は専用の用紙があり、初診から6か月経過している必要があります。
等級は重症なものから1-3級までありますが重症度によっては発行できない場合もあります。
傷病手当金
<制度の概要>
うつで働けずに仕事を休み、給料が支払われない場合や給料が下がった場合、その間の生活に対し健康保険から受けられる保障が傷病手当金です。
<支給額と支給期間>
・支給額
1日につき、標準報酬日額×2/3を受け取ることができます。
・支給期間
支給が始まった日から1年6ヶ月の期間で、支給を受ける条件を満たしている日に支給されます。
<支払いを受ける条件>
健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。
医師の意見をもとに仕事につけないと判断され、3日以上連続で仕事に就けず欠勤したことを証明する必要があります。もちろんその期間給与を受けていないことが前提です。
<申請方法>
上記の条件を満たしていれば申請できます。全国健康保険協会のホームページからダウンロードし、印刷してお使いいただくか、全国健康保険協会で申請書をもらうかして、申請書を用意します。傷病手当金の申請書の中に事業主の証明と主治医の証明欄がありますので、働けなかった期間の証明をもらいます。その後、全国健康保険協会に傷病手当金の申請書を提出します(郵送もしくは持ち込み)。全国健康保険協会の各都道府県支部の住所はこちら。
まとめ
「仕事できない」「仕事に行けない」こんな状態になってもまずは落ち着いてひとつずつ対処していきましょう。
絶対に「怠けているんじゃないか」と自分を責めるのはやめてください。その考えがある時点でもう十分に真面目に頑張りすぎているのではないでしょうか。
落ち着いて周囲に相談するようにしましょう。職場には産業医もおりますし、必ず打開していく策があります。休職が必要になってしまった場合であっても、経済面において上記に説明したような支援もあります。
まずは、現在の状態を医療機関で客観的に判断してもらい、どうやって復帰していくかを考えていくようにしましょう。
Q&A
- 仕事できないことがうつのせいであることを上司がわかってくれません。上司からは「考え方だ、うつ病のせいにするな」と言われてしまいます。このままでは仕事に行けないようになってしまいそうです・・・。どうしたらいいでしょう?
- すでに精神科通院中なのでしょうか?自身の病気を必ずしも周囲(家族も含めて)にわかってもらうことは難しい場合も多々あります。意地になって理解させようとすることのほうがかえってストレスになりやすいです。
仕事ができないために悪循環に入ってしまうようであれば、休職もやむを得ないかもしれません。無理しすぎて社会から逸脱していくことのないようにすることを第一優先として動くようにしていきましょう。
光トポグラフィー検査は視覚的にとらえることができる検査です。この検査によって家族も納得したりすることも多いのでどうしても理解させたいという場合はこの検査を受けてみるのも手だと思います。 - うつ病と診断されましたが、自分では納得できません。職場で周囲とぶつかることが多く、このことがストレスで仕事できないだけだと思っています。1か月休職して調子が良くなったので復職するのですが、環境調整されませんでした。これで戻って大丈夫でしょうか?
- 大丈夫かどうかは難しい問題で、実際目の前の患者さんでさえも復帰してみないとわからないことも多いです。現実問題環境調整ができないままで復職することになるのも少なくありません。
うつの中でとにかく過敏性が強く、周囲とぶつかりやすい症状のタイプがあります。ある程度病態が安定していれば、過敏性が収まり周囲と折り合いがつくこともあります。逆に職場に戻ってまた同じ状況になるようであれば、周囲とぶつかってしまう理由に着目し、自身に衝動性の高さ、軽躁状態(攻撃性、イライラ)がないかをみて、場合によって治療方針を変えることが必要になるかもしれません。
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