メデポリン錠・カームダン錠はともに「ベンゾジアゼピン系」という種類の抗不安薬で「安定剤」「精神安定剤」と呼ばれます。
「ソラナックス」のジェネリック医薬品(後発品)で、現在はメデポリン錠は《アルプラゾラム「サワイ」》にカームダン錠は《アルプラゾラム「アメル」》と名称が変更となっています。
ジェネリック医薬品は成分名(一般名)に名前を統一する流れがあり、それに伴い名称変更となりました。
メデポリン・カームダンの効果と副作用などを紹介します。
なおメデポリン・カームダンはソラナックスのジェネリック医薬品ですから基本的には一緒の内容です。
Contents
メデポリン・カームダンの特徴
メデポリン・カームダンには以下のような作用があります。
- 抗不安作用(不安を和らげる作用):中
- 筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす作用):弱
- 催眠作用(眠くする作用):弱
- 抗けいれん作用(けいれんを抑える作用):弱
メデポリン・カームダンは抗不安作用がしっかりあり、筋弛緩作用が軽いのでふらつきなどを起こしにくくバランスの取れた抗不安薬だという事が出来ます。
良い特徴
- 抗不安作用は実感しやすく、副作用は全体的に軽めとバランスが良い
- 特に筋弛緩作用が軽いため、ふらつきや転倒を起こしにくい
悪い特徴
- 眠気が強く出てしまう人がいる
- 依存形成はやや多めという報告もある
メデポリン・カームダンの半減期・作用時間はどのくらいか?
メデポリン・カームダンの作用時間はどのくらいなのでしょうか。
服薬後、約1~2時間で血中濃度が最大となり、半減期は約17~18時間とされています。
半減期とは「薬の血中濃度が半分に下がるまでにかかる時間」のことで、お薬の効果のある時間の目安となります。
実際、服薬してから20~30分ほどで効き始め、半日くらい効果が持続します。
メデポリン・カームダンの適応疾患
心身症とは、身体症状の原因が「こころ」にある病気のことです。
例えば食生活が悪くて胃潰瘍になるのは心身症ではありませんが、ストレスで胃潰瘍になるのは心身症になります。
不安や緊張が高まって、喘息発作を起こしたり、狭心症発作を起こすなどストレスで身体の症状が出てしまうものを心身症というわけです。
この心身症に対して使用されるのがメデポリン・カームダンなのです。
実際には、心身症に限らず様々な不安感に対して使用することが多く、パニック障害や社交不安障害などの不安障害圏、強迫性障害などの疾患に用いることがあります。
メデポリン・カームダンが向いている人
メデポリン・カームダンは非常にバランスの取れたお薬で、不安を抑える作用が十分にあり、不安、緊張がある方で薬物治療が必要な方の第1選択薬として向いています。
抗不安薬は筋弛緩作用によってふらつきが出ることがあるのですが、それが少ないのも特徴です。
飲んでから血中濃度が最大になるまでは約1~2時間かかるとされていますが、実際は内服後20~30分ほどで効果を感じられ即効性にも優れます。
そのため不安なイベントや緊張するイベントの前に飲むといった頓服としても利用されています。
メデポリン・カームダンの副作用
メデポリン・カームダンで一番問題となる副作用は「依存性」です。
「耐性形成」「依存形成」が生じる可能性があります。
耐性とは、身体がおくすりに慣れてきて、徐々におくすりの効きが悪くなってくる現象です。
効きが悪くなれば、同じ効果を得るためによりたくさん飲まないといけないため、
服薬量がどんどん増えてしまいます。
依存とは、そのおくすりを手放せなくなってしまう。
飲まないといても立ってもいられなくなってしまう、という状態です。
メデポリン・カームダンには以下の4つの作用があり、これらそれぞれの強さはおくすりによって異なります。
- 抗不安作用(不安を和らげる):中
- 催眠作用(眠くする):弱
- 筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす):弱
- 抗けいれん作用(けいれんを抑える):弱
具体的には、
- 催眠作用で眠気が生じる
- 筋弛緩作用で、ふらつき、転倒が起こりやすくなる
などです。
Ⅰ.耐性・依存性形成
「耐性」「依存性」は一番の問題です。
耐性というのは、身体が徐々に薬に慣れてしまう事で次第に効果を実感するために量を増やさなければなりません。。
最初は1錠飲めば十分効いていたのに、だんだんと身体が慣れてしまい、1錠飲んでも全然効かなくなってしまったという状態です。
一方、依存性というのは、その物質なしではいられなくなってしまう状態をいいます。
医師は、耐性・依存性を起こさないような量や投薬期間を通常は気にしながら処方しています。
アルコールとの併用も危険で、アルコールと抗不安薬を一緒に使うと、お互いの血中濃度を高め合ってしまうようで、
耐性・依存性の急速形成の原因になると言われています。
また、「漫然と飲み続けない」ことも大切です。
定期的に「量を減らせないか」と検討する必要があり、本当はもう必要ない状態なのに漫然と長期間内服を続けてはいけません。
服薬期間が長期化すればするほど、耐性・依存形成のリスクが上がります。
Ⅱ.眠気、倦怠感、ふらつき
催眠効果、筋弛緩効果がが強く出すぎると、眠気やだるさを感じます。
メデポリン・カームダンにも筋弛緩作用や催眠作用があります。
一般的に筋弛緩作用は弱めであることが多いのですが、
眠気は人によっては強く出てしまうこともあります。
「服薬量を減らすこと」が対処法として有効です。
ただし、一般的に量を減らせば作用も副作用も弱まります。
Ⅲ.物忘れ(健忘)
頭がボーッとしてしまい物忘れが出現することがあります。
またメデポリン・カームダンなどのベンゾジアゼピン系を長く使っている高齢者は認知症を発症しやすくなる、という報告もあります。
日常生活に支障が出るほどの物忘れが出現している場合は、お薬を減薬あるいは変薬する必要があります。
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