デパス錠の効果と効き目についてと各種0.25mg・0.5mg・1.0mg錠剤・細粒の使い方。睡眠薬として有効か?

ギャバチョコ

デパス(一般名:エチゾラム)は1984年に登場したベンゾジアゼピン系抗不安薬です。
抗不安薬とはその名の通り不安を抑える作用を有し、一般には「安定剤」とも呼ばれます。

効き目がわかりやすく、精神科に限らず処方されることが多く、抗不安薬の代名詞と言っても過言ではありません。
逆に「依存しやすい」傾向もあるますのでやめづらさがネックとなります。

デパスの効き目の具合、他の抗不安薬との違いについて解説します。


デパスの効果

抗不安薬にはたくさんの種類があります。
抗不安薬の中でどれが良いという区別はなく、即効性や作用時間の違いから、その方の状態によって適切な不安薬を選択します。

一般に、ベンゾジアゼピン系抗不安薬というのは以下のような作用を持っています(<>内はデパスの作用の強度)。

  • 抗不安作用(不安をおさえる)<デパス:強い>
  • 筋弛緩作用(筋肉の緊張をゆるめる)<デパス:強い>
  • 催眠作用(眠気を導く)<デパス:普通>
  • 抗けいれん作用<デパス:弱い>

デパスは不安や筋肉の緊張に対して強い作用を持っているのです。
眠気をもたらす作用も中等度あるので不眠の際には飲むと眠れるという方がいるのもこのためです。

効果発現と作用時間

デパスは服用してから約3時間でその血中濃度が最大となり、半減期(お薬の血中濃度が半分に下がるまでにかかる時間)は約6時間です。
効き目が出だすのは服用後15分~30分、持続は数時間程度です。

その他の抗不安薬との比較

半減期とは血中濃度が半分に落ちてしまうまでの時間で、要は作用時間と考えてください。
抗不安薬といっても、その強さや長さは薬によって異なるのです。

抗不安薬作用時間(半減期)抗不安作用
グランダキシン短い(<1h)
リーゼ短い(~6h)
デパス短い(-6h)+++
ソラナックス
コンスタン
中(14h)++
ワイパックス中(12h)+++
レキソタン
セニラン
中(20h)+++
セパゾン中(-21h)++
セレナール長い(56h)
バランス
コントール
長い(-24h)
セルシン
ホリゾン
長い(50h)++
リボトリール
ランドセン
長い(27h)+++
メイラックス超長時間(-200h)++
レスタス超長時間(-190h)+++

こんな方に処方されます

デパスの効き目の特徴は、抗不安作用の強さにあります。始めて処方されるのであれば何かしらの効果は確実に期待できます。しかし依存性が強いのが難点で、徐々に効きも悪くなり飲む量や回数が増えてしまいがちです。
こういった特徴を踏まえると、他の抗不安薬で効果が不十分であった際の、第二選択の抗不安薬として適しているのではないかと思われます。

まずは効果も副作用も穏やかな抗不安薬から始めてみて、それでは効きが不十分であった時、多少のリスクを取ってでも症状をよりしっかりと抑えるメリットの方が高い、と判断されるときにデパスを検討する、というのが良いのではないでしょうか。

またデパスのもうひとつの特徴として、抗不安作用が強いだけでなく筋弛緩作用も強いのでした。
この効能は肩こりや筋緊張性頭痛に有効です。

しかし反面、高齢者の方にとっては転倒してしまうリスクが上がるので注意が必要です。

デパスの効果時間は短め

デパスの半減期(血中濃度が半分に落ちてしまうまでの時間)は約6時間ほどですので、1日を通して効果を持続させたい場合は、1日3回に分けて服薬する必要があります。
1日を通して効果を持続させたい場合は、より半減期の長い抗不安薬(ソラナックス、ワイパックス、レキソタンなど)を処方します。

デパスの効き目:作用機序

デパスは「ベンゾジアゼピン系」という種類に属する抗不安薬です。
基本的に抗不安薬と呼ばれるお薬の大半はこのベンゾジアゼピン系です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、神経細胞にあるGABA-A受容体ギャバ・エーじゅようたいを刺激することで効果を発揮します。

GABAギャバとはチョコレートのGABAです。
ストレス社会に対してというコンセプトであのチョコレートは販売されていましたね。まさにベンゾジアゼピン系抗不安薬が作用する部分です。
ギャバチョコ
このGABA-A受容体を刺激することで脳や神経のはたらきを抑制する方向にはたらき、心身がリラックスしやすい状態になるのです。

最初にも言いましたが、ベンゾジアゼピン系抗不安薬には4つの作用があります。

  • 抗不安作用(不安をおさえる)<デパス:強い>
  • 筋弛緩作用(筋肉の緊張をゆるめる)<デパス:強い>
  • 催眠作用(眠気を導く)<デパス:普通>
  • 抗けいれん作用<デパス:弱い>

デパスは抗不安作用が強いので、ベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類されます。
もちろん睡眠を招く作用もあるので、ベンゾジアゼピン系のお薬は睡眠薬として使用されることもあります。

デパスの睡眠薬としての使用

不安の症状がある方は、同時に不眠に悩んでいることも多く睡眠薬としてデパスを飲んでいるという方も多いでしょう。

デパスには確かに催眠作用(眠気をもたらす作用)があるので、睡眠薬としての使用もできます。

本当にまれに眠れないときがあってとか、どうしても今日は眠らなくてはいけないなど稀に使用するのなら良いのですが、通常睡眠薬は毎日飲むことになっていることが多いのが現状です。

デパスを睡眠薬として使用するのは良いのですが、気を付けなければいけないのは毎日服用してはいけないということです。

理由は簡単で依存性が強く、やめられなくなる可能性が高いからです。
また耐性が生じいずれにせよ睡眠薬としても十分な効果を発揮しなくなるタイミングがやってくるからです。

睡眠薬としてのデパス使用の懸念材料

  • 睡眠薬なしではいられなくなってしまう
  • 睡眠薬を飲まないと全く眠れなくなってしまう
  • だんだん効きが悪くなって量が増える
  • 依存から脱するまでは相当につらい思いをする

睡眠薬としてデパスを使用するなら・・・

デパスは危険な薬として過度に怖がる必要はありません。
しかし、効果を実感しやすく頼りきってしまいやすく、そのほかの睡眠薬では物足りなさを感じやすいので気を付けてほしいのです。

初めて服用するなら寝る前に0.25mgを1錠、何度か服用していてそれでは効かないときでも0.5mgを超えないようにしましょう。
それ以上に増やして眠れた、よかったと思うのは間違いでどんどん薬なしでは眠れなくなってしまいます。

最大でも0.5mgまでと決めて、あとはベッドで横になって目をつぶるだけにしましょう。
非常に浅い眠りであっても意外と脳や身体は休めているのです。

デパスの各剤型の使い分け

デパスには次のような剤型があります。


錠剤
・エチゾラム錠0.25mg
・エチゾラム錠0.5mg
・エチゾラム錠1.0mg

粉薬
・エチゾラム細粒1%(100mg中に成分1mg含有)


このうち、治療のために用いられているのは主に0.5mgと1.0mgになります。

※添付文書における用法・容量
【用法及び用量】

<神経症、うつ病の場合>
通常、成人には1日3mgを3回に分けて経口投与する。

<心身症、頸椎症、腰痛症、筋収縮性頭痛の場合>
通常、成人には1日1.5mgを3回に分けて経口投与する。

<睡眠障害に用いる場合>
通常、成人には1日1~3mgを就寝前に1回経口投与する。

通常は0.5mg錠か1mg錠を使用します。
多くの場合は0.5mg錠が最初の量になります。

一方その半分量の0.25mg錠は、デパスの量を少しずつ減らしたい時に使われています。

デパスは依存性がつくられやすく、そのため辞めるときに離脱症状を伴うこともあります。
このときに少しずつ減薬するのに0.25mg錠もしくは粉薬で微調整していくのが有効なのです。

依存性・離脱症状については以下の記事をご参照ください。

デパスの使用例

もっとも用途が多い「不安」に対しての使用例を紹介しましょう。

基本的には以下のような使い方をします。


  • 不安などを抑える「治療」:0.5mg錠、1mg錠
  • お薬を減らしていく「減薬期間」:0.25mg(または細粒100mg中1mg含まれるデパス細粒)を上手に使う

また減薬時の微調整ではなく、錠剤が飲みにくいという高齢者などでも細粒(粉薬)を使う事があります。

治療においては、1回量0.5mgで1日3回の服用が基本になります。

これでも症状が治まらない場合は、1回量1.0mgで1日3回に増量する事もありますが、やむを得ない場合に限ります。
増量すれば不安を抑える力は確かに強まりますが、後々のお薬の「やめにくさ」が問題になるからです。

症状が落ち着けば出来るだけ速やかに減量・中止していく必要があります(←ここが重要)。

デパスを含むベンゾジアゼピン系抗不安薬というのは、基本的には「一時しのぎのお薬」という意識が大事です。
一番安心なのは頓用(不安発作時や不安がたまに強くなるその時だけ服用すること)です。

これならほとんど依存の心配がないでしょう(頓用については以下の記事をご参照ください)。


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