ワイパックスによる眠気と、日中の眠気がでたときの対処法

ワイパックス眠気

ワイパックスは不安を抑える作用のある抗不安薬です。

ワイパックスを飲むと、眠くなってしまうことがあり、日中に強い眠気で生活に支障をきたすと大変です。

ワイパックスで眠気が生じる理由や、その対処法についてご紹介します。


眠気が生じてしまうのはなぜ?

ワイパックスは「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」という種類のおくすりです。

ベンゾジアゼピン系は、GABA-Aギャバ・エーという受容体を刺激し、脳を休める方向に作用させます。
これによって次の4つの作用があります。


  • 抗不安作用(不安を和らげる)
  • 催眠作用(眠くする)
  • 筋弛緩作用(筋肉の緊張を和らげる)
  • 抗けいれん作用(けいれんを抑える)

この中で、抗不安作用のほかに催眠作用があり、この作用によって眠気をもたらすのです。

眠気の起こしやすさ

抗不安薬には多数の種類がありますが、これらの中で眠気の起こりやすさは以下のようになります。

抗不安薬作用時間(半減期)抗不安作用眠気
グランダキシン短い(<1h)
リーゼ短い(~6h)±
デパス短い(-6h)++++++
ソラナックス
コンスタン
中(14h)++++
ワイパックス中(12h)+++++
レキソタン
セニラン
中(20h)+++++
セパゾン中(-21h)++++
セレナール長い(56h)
バランス
コントール
長い(-24h)
セルシン
ホリゾン
長い(50h)+++++
リボトリール
ランドセン
長い(27h)++++++
メイラックス超長時間(-200h)++
レスタス超長時間(-190h)+++++

基本的には、作用(不安を和らげる強さ)が強いほど、副作用(眠気など)も多くなる傾向があります。

ワイパックスの眠気の作用は、「中程度」の強さがあります。

眠気が生じたときの対処法

ワイパックスを服用して、生活に支障が出るくらい困る日中の眠気が出てしまったらどうすればいいしょうか?

基本的には様子をみるのが第一です。
身体が慣れると、自然に改善する可能性があるからです。

1-2週間も待てないということであれば、減薬したりより眠気作用の弱い抗不安薬に切り替えることになります。

様子をみる

1-2週間様子をみてみると、身体がおくすりに適応してくるため、眠気が徐々に軽くなってくることがあります。

なんとか耐えられる程度の眠気なのであれば、少し様子をみてみるのは良いでしょう。

服薬量を減らす

内服する量を減らせば、眠気の程度は軽くなります。

量が減れば効果も弱くなってしまいますが、眠気に困っている場合は検討せざるを得ないでしょう。 

服薬時間を変える

服薬する時間を変えることで眠気が起こる時間をずらすことが可能です。

例えば、ワイパックス0.5mg錠を1日3回、毎食後(1.5mg/日)に服薬していたとしましょう。

昼すぎの眠気で仕事に使用があるのであれば昼食後の服薬を中止して、朝・夕食後にそれぞれ0.75mgずつ服薬にしてみるのも良いでしょう。

(昼の分の0.5mg錠を半分に割って、朝夕に振り分ける)

昼食後のくすりがなくなるため、午後の不安感の増悪は心配ですが、ワイパックスは半日ほど効くお薬でもありますので、簡単にできることもあり試してみる価値はあります。

ワイパックスから他のお薬に変える

似たような作用時間、強さの抗不安薬だと、

ソラナックス/コンスタン: 作用時間14時間、効果普通
レキソタン/セニラン  : 作用時間20時間、効果強い
セパゾン        : 作用時間11-20時間、効果やや強い
(ワイパックス:作用時間12時間、効果強い)

ですが、これだと同程度に眠気が出る可能性があります。

抗不安作用も若干弱く感じる可能性もありますが、比較的眠気も抑えられるとしたらリーゼ、セレナール、バランス、メイラックスなどがあります。


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