パキシルCR錠は2012年にGSK社より発売された抗うつ剤です。
パキシルCR錠とは、通常のパキシルと何が違うのでしょうか?
パキシルCR錠とは
パキシルCRのCRとはControlled Releaseの略で、「徐放製剤」で、要は薬が徐々に溶けて成分がゆっくりと放出されるということです。
つまり、パキシルCR錠とは「ゆっくりと体内に吸収されるように改良されたパキシル」ということです。
従来のパキシルはとの違いは、ゆっくり血中濃度が上昇するため副作用や離脱症状が起きにくくなっているのです。
パキシルCR錠はこんな方におすすめ
CR錠はパキシルと同じ効果でパキシルより副作用が少ないわけですから、パキシルからパキシルCRに変えた方がいいのでしょうか?
すでにパキシルの治療で問題がなければわざわざ変更するメリットはないでしょう。
基本的にCR錠が有効なのは、飲み初め初期の副作用が目立つ時期です。
十分満足している患者さんに対して無理に変える必要はないのです。
パキシルCRの適応は?パニック障害にも有効?
実はパキシルCRの適応は「うつ病・うつ状態」だけです。
しかし通常のパキシル上と同じで「うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害」に有効です。
パキシルはパニック障害に有効なお薬であり、当然CR錠も同等の効果はあります。
離脱症状の対策になる?
減薬時の離脱症状も、確かにパキシルより起こりにくいと感じます。
ただ、あくまでも「パキシルと比べると起こりにくい」という事で、「起こらない」わけではありません。
CR錠が特に有効なのは飲み初めの副作用対策で、離脱症状の起こりやすさは変わらないという報告もあります。
パキシルCR錠の使い方
パキシルと同じく少量から初めて少しずつ増やしていきます。
まずはパキシルCR12.5mgから始め、一週間以上の間隔をあけて12.5mgずつ増やしていきます。
そして効果を見ながら、25mgから50mgで維持します。
もしパキシルからパキシルCRに変更する場合、用量の規格が異なります。
<パキシルからCR錠への変更>
- パキシル錠 6.25mg ⇒ パキシルCR錠 6.25mg
- パキシル錠 10mg ⇒ パキシルCR錠 12.5mg
- パキシル錠 20mg ⇒ パキシルCR錠 25mg
- パキシル錠 40mg ⇒ パキシルCR錠 50mg
薬の効果が出てくるのは、パキシルと同じく2週間から1か月ほどかかります。
効果を十分感じれば、その量のお薬を維持します。
パキシルCRが効かない場合
1-2ヶ月みても効果がまったく得られない場合は、パキシルの増量あるいは他のお薬を併用します。
NaSSA「リフレックス」や抗精神病薬「エビリファイ」などと併用して増強療法を行うことがあります。
気分が安定しても、そこから6-12ヶ月はお薬を飲み続けることが推奨されています。
この時期が一番再発しやすい時期だからです。
6-12ヶ月間服薬を続けて、再発徴候がなく気分も安定していることが確認できれば、
その後2-3ヶ月かけてゆっくりとお薬を減薬していき、治療終了となります。
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