ワイパックスは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類されるお薬で、不安を抑える作用があります。
即効性もありしっかりと不安をコントロールしてくれますが、「離脱症状」に注意する必要があります。
長期間、多めのワイパックスの内服を続けていると、次第に身体がワイパックスに依存してしまい、やめることが出来なくなってしまうのです。
依存状態になって無理にやめようとすると、気分が悪くなったり、イライラしたり、頭痛や発汗など様々な症状が起こります。
ワイパックスによる離脱症状について予防・対処法などをご紹介します。
ワイパックスの離脱症状とは
ワイパックスに限らずベンゾジアゼピン系の抗不安薬はすべて、依存形成を起こす可能性を持っています。
ワイパックスは抗不安薬の中でも効果が強く、実感しやすいため、頼ってしまいやすお薬でもあります。
ひとたび依存が形成されると無理にやめたり減らすと以下のような症状が出てしまいます。
- 落ち着きのなさ
- イライラ
- 緊張
- 頭痛
- 肩こり
- 吐き気・悪心
- 動悸
- 震え
- 発汗
過度に恐れないでほしいのですが、依存や離脱症状は、ワイパックスを飲むと絶対起こすわけではありません。
効果を実感しやすく、勝手に自分で量を決めて飲み続けていると危険です。
必要な期間のみ、必要な量のみの内服であれば起こさないことがほとんどですが、長い間、ワイパックスを多めに服用しているとこのような問題が発生します。
ワイパックスは離脱症状を比較的起こしやすい
一般に離脱症状は以下の特徴を持つお薬が起こしやすいことが知られています。
- 半減期が短い
- 効果が強い
- 量が多い
- 内服期間が長い
ワイパックスの半減期(血中濃度が半分になる時間)は12時間と比較的長くはあるのですが、不安を抑える効果が強いため離脱症状を起こす頻度はやや多い部類に入ります。
離脱症状を起こさないために
離脱症状を起こさないためには、離脱症状を起こしにくいお薬も逆にあることを知っておくことは重要です。
すなわち離脱症状を起こしにくい特徴とは、
半減期が長めで、抗不安効果はマイルドで、内服量が少ないのが良く、長期間は服用していないことが重要です。
つまりある程度症状が落ち着くならやめたり、より半減期が長く抗不安作用が弱めの薬に変えていくのが良いのです。
- ソラナックス(半減期14時間、効果は中)
- バランス・コントール(半減期-24時間、効果は弱)
などが候補にあがりますは、実際効果がないと感じてしまうこともありお薬の切り替え(スイッチ)は以外にも難しいのです。
服薬量が多く、服薬期間が長いほど、依存形成や離脱症状につながりますので、定期的に「ワイパックスの量を減らせないか?」と主治医の先生と相談したり自身でも意識しておくことは重要です。
抗不安薬でおさまらない不安は、抗うつ剤や抗精神病薬が必要になるのです。
すべて抗不安薬でコントロールしようとするとこのような事態に陥りがちです。
離脱症状への対処法
ワイパックスの減薬時に離脱症状は注意すべき症状です。
離脱症状が起きた場合、「様子をみる」か「元の量に戻す」かで症状はコントロールできます。
基本的に元の量に戻せば症状はコントロールできます。
様子を見る場合でも、個人差はありますが離脱症状のピークは1週間程度で、これを過ぎると徐々に軽くなります。
ただし、中にはピークがおさまってもその後3か月間症状が続くなどのケースもあります。
お薬を元に戻すのは最も早くて確実な改善法ではあります。
おくすりを減らしたのが原因なので、おくすりの量を戻せば離脱症状は改善します。
問題はどうやって再び離脱症状を起こさないようにできるかになります。
Ⅰ.ゆっくりと減薬する
例えば、ワイパックス3mgから半分の1.5mgに減薬したときに、もし離脱症状が出現したのであれば、こんどはいきなり半分に減らすのではなく2mgや2.5mg経由してから1.5mgに減らすようにしてください。
また、期間も重要です。
例えば、1週間ペースで減薬していって離脱症状がでてしまうのであれば、2週間や4週間ペースに伸ばしてみましょう。
Ⅱ.半減期の長い抗不安薬に切り替えてから減薬する
半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)の長い抗不安薬の方が離脱症状を起こしにくいのです。
そのため、半減期の長いおくすりに一旦切り替えてから減薬すると上手くいくことがあります。
例えば、ワイパックス(半減期12時間)からコントール(半減期10-24時間)に切り替える方法で考えてみます。
ワイパックス1.5mgを1日に服薬していたとしたら、同程度のコントールだと30mgくらいになりますので、コントール30mgへ切り替えます。
コントールに慣れるため1-2週間は様子をみます。
その後、コントールを20mg、10mgとゆっくり減らしていけば抗不安薬をやめることができます。
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